Shopify Winter Editions | 25年冬:進化したPayment Customization APIの活用法
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目次
はじめに
Shopify Editions | 25年冬では、150を超えるアップデートが発表されました。既存機能にも多くの改良が加えられ、さらに便利に進化しました。
【参考文献】
本記事では、既存機能「Payment Customization API」のアップデート内容とその活用方法について解説します。
この記事を通じて、以下のことが学べます:
- Payment Customization APIの基本的な概要
- Payment Customization APIのアップデート内容
- 実際の活用事例
- eギフト注文時に特定の支払い方法(例:コンビニ払い、代引き)を非表示にする
1.1 記事の背景
この記事は、Shopify Editions | 25年冬に発表された既存機能のアップデートに焦点を当て、その利便性や利用方法について詳しく紹介します。特に、B2Bビジネスや特定の支払いフローに特化した柔軟なカスタマイズが可能になったことは、EC事業者にとって大きなメリットです。
1.2 対象読者
- Shopifyを使用しているオンラインストア運営者
- Shopifyを活用してECビジネスを拡大したいと考えている企業
- Shopifyの開発者、ECサイトのカスタマイズを検討している方
1.3 記事を読み終えるまでの時間
約10分
2.Payment Customization APIとは?
2.1 機能解説
Payment Customization APIは、ShopifyのFunctions機能の一部として提供され、オンラインストアの支払い方法の表示や管理を柔軟にカスタマイズできるAPIです。
主に以下の操作が可能です:
- 支払い方法の表示・非表示
- 支払い方法の順番変更
- 支払い方法名のカスタマイズ
これにより、ECサイト運営者は自店舗の顧客ニーズに合わせた、最適な決済フローを設計できます。また、現在この機能はShopify Plusプラン専用です。
【参考】 Shopify Dev公式ドキュメント
2.2 具体的な利用例
Payment Customization APIでは、以下のようなカスタマイズが可能です:
- 合計金額が一定以上の注文で、クレジットカードのみを選択肢として表示
- 特定地域において、支払方法の表示順を変更する
- 「銀行振込」の名称を「銀行決済」に変更する
これにより、決済方法の選択肢を購入者に最適化し、スムーズな決済を実現できます。
3.アップデートの詳細
3.1 下書き注文でも対応可能に!
これまで、Payment Customization APIは下書き注文(Draft Order)には対応していませんでした。そのため、B2B向けや特定のカスタマイズが必要な場合に支払い方法の選択肢を制限することができず、代替手段に頼る必要がありました。
25年冬のアップデートでは、下書き注文にも対応し、これによりB2Bなどの特定のケースで、支払い方法の表示順や非表示設定が可能となります。
3.2 実装可能なシナリオ
例えば、以下のような要件がスムーズに実現できます:
- 下書き注文限定で支払い方法を非表示にする
- すべての注文の支払い方法について並び順を統一する
4.本アップデートが役立った実例
下書き注文で利用される決済例として「eギフトの注文」「BtoBの注文」等があります。
本記事では「eギフトの注文」に焦点を当てて、実際に役立った事例をご紹介します。
4.1 eギフト注文時に特定の支払い方法(例:コンビニ払い、代引き)を非表示にする
弊社では、eギフト機能を導入希望のお客様には、「AnyGift」をご提案しています。AnyGiftは、eギフト機能を簡単にECサイトに組み込み、顧客体験を向上させる素晴らしいツールです。
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eギフト商品の決済では、特定の支払い方法の選択を制限する要望が多く寄せられており、以前はそれらの制限を実装するのに工夫が必要でした。
特に、eギフト用に設定した送料が下書き注文として処理される仕様において、支払い方法の選択肢を非表示にすることができず、購入者が迷ってしまう場面が発生していました。
今回のPayment Customization APIアップデートにより、以下のようなカスタマイズを実現できました:
- eギフト注文時の支払い方法制限:eギフト注文の場合、特定の支払い方法(例:コンビニ払い、代引き)を非表示に設定することができました。これにより、購入者はスムーズに決済を完了できるようになりました。
- リアルタイムなUI変更:条件に基づいて支払い方法を動的に変更することで、不要なエラー表示を排除し、ユーザー体験を向上しました。
このように、Payment Customization APIのアップデートは、特定のニーズに対応した柔軟な支払い方法のカスタマイズを可能にし、顧客満足度を向上させる重要な要素となっています。
5.さらなる可能性と注意点
ShopifyのPayment Customization APIを活用することで、顧客の多様なニーズに柔軟に対応した支払い体験を提供できます。特に、B2Bビジネスや複雑な支払いフローを持つ企業にとって、この機能は非常に有用です。
ただし、いくつかの制限も存在します。たとえば、Shop PayやApple Pay、Google Payなどの支払い方法名は変更できませんので、詳細についてはShopify 開発者ドキュメントをご参照ください。
まとめ
この記事では、Shopify Editions | 25年冬でアップデートされたPayment Customization APIの機能について詳しく解説しました。特に、下書き注文への対応や、eギフト対応の改善事例を通じて、柔軟な支払いカスタマイズが可能になった点を強調しました。今後、この機能を活用することで、ECビジネスにおける支払い体験がさらに向上することが期待されます。
著者:Sakamoto
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