Shopify Winter Editions | 25年冬:Shopify Theme Blocks 公開 !! 今後のテーマ開発の動向について
- Shopify
- Shopify Editions25年冬
- Shopify Theme Blocks
- Shopifyアップデート
- テーマ開発
- 開発
目次
参考資料・関連記事
https://www.shopify.com/editions/winter2025
https://shopify.dev/docs/storefronts/themes/architecture/blocks/theme-blocks/quick-start
https://github.com/Shopify/reference-theme/discussions
https://shopify.dev/docs/storefronts/themes/architecture/blocks
https://www.shopify.com/partners/blog/stylesettings
1. はじめに
Theme Blocksは、Shopifyのテーマ開発において大きな変更をもたらす機能です。昨年のEditionsで発表された「Theme Blocks」。Winter ’25のアップデートにより、これまで開発者プレビューでのみ利用可能だった「Theme Blocks」の機能が、いよいよ全てのテーマに解放されることになりました。
1.1 記事について
本記事では、Theme Blocksの基本概念と今後のテーマ開発の動向について解説します。
1.2 記事の対象
本記事では、Theme Blocksの基本概念と今後のテーマ開発の動向について解説します。
- Shopifyテーマ開発者
- ECサイト構築者
- テーマカスタマイズに関わる技術者
- Shopifyパートナー企業
1.3 記事
約6.5分
2. Theme Blocksの概要と進化
2.1 Theme Blocksとは
Theme Blocks: 複数のセクションでブロックを再利用可能できる設計概念
Theme Blocksは、テーマレベルで定義され、複数のセクションで再利用可能なブロックを作成することが可能です。従来のセクションごとに定義するブロックとは異なり、以下の特徴があります:
※具体的な実装方法等は別記事で作成しようと思います。
Theme Blocksの主要機能:
- セクションを超えた再利用性
- これまでのShopifyでは、各セクションに専用のブロックを定義する必要がありました
- Theme Blocksでは、一度定義したブロックを複数のセクションを使い回せるようになります
- /blocks フォルダに配置することで、テーマ全体で利用可能になります
- 柔軟なネスト構造
- 最大8階層までのネストに対応し、複雑なレイアウト構造を実現可能
- 親ブロックから子ブロックへのデータ継承をサポート
- これにより、グリッドレイアウトやコンテナ内での自由な要素配置が可能になります
- 静的レンダリング機能
- 特定のブロックを編集・削除できないように固定することが可能
- 例:商品数が一定以上の場合のみ表示される「もっと見る」ボタン
- セクションの重要な機能を保護しながら、他の部分のカスタマイズが可能になる。
- ブロックターゲティング
- 開発者が、特定のブロックが使用可能なセクションを指定できる機能
- 例:スライドショーセクションで「スライド」ブロックのみしか使用できないように制御
2.2 Theme Blocksのアップデートでの注意点
ブロックの追加ボタンの変更
- 管理画面でのブロック追加の操作方法が変更されているため、注意が必要です。
3. Theme Blocks公開:Flex Sections実現への布石?
今回の記事では、ShopifyがTheme Blocksを公開した背景と、今後のテーマ開発の方向性について、筆者の視点で解説していきます。
3.1 Flex Sections:Shopifyが描く次世代テーマ構築
Flex Sectionsは、Shopifyが構想する次世代のセクション設計概念です。マーチャントがコードを書かずに、直感的なドラッグ&ドロップでレイアウトを編集できる環境の実現を目指しています。これは、Webflowのようなノーコードエディタを参考にしていると考えられ、さらに今後のAI機能(Sidekick)との連携も視野に入れていると推測されます。
17秒あたりから。こちらはデモ動画であり、このような機能が実装されるかは確定のアナウンスは出ていない
Shopifyは上記ビジョンを実現するために、2つの重要な機能を発表しました
- Style Settings(※現在開発者プレビュー段階):
- shopify.dev
- CSSプロパティに直接マッピングされる視覚的な設定システム
- レイアウト、サイズ、スペーシングなどを直感的に調整可能
- 異なるブレークポイント(デバイス)ごとの調整にも対応
- 現在は開発者プレビューとして提供され、まだ本番環境での利用はできません
- Theme Blocks:
- 再利用可能なブロックコンポーネントのシステム
- 特徴:
- セクションをブロックの再利用が可能
- ブロックターゲティングによる配置制御
- 静的レンダリングによる固定要素の実現
- ネスト構造による複雑なレイアウトのサポート
なぜTheme Blocksが必要だったのか?
もし本当にShopifyが「自由にセクションの配置、大きさ等を変更できる」エディタを実現するとなれば、以下の要件を満たす必要があり、これらの理由からFlex Sections実現のための第一歩として「Theme Blocks」が公開されたと大いに考えられます。
- 標準化された「部品」の存在
- これまでのShopifyテーマ:セクションごとに固有のブロックを定義
- Theme Blocks:どのセクションでも使える標準的な部品を実現
- 予測可能な動作の保証
- ブロックターゲティングにより、要素の配置ルールを制御
- 静的レンダリングで固定要素を実現
- AIやドラッグ&ドロップでの意図しない表示崩れを防止
- 柔軟なレイアウト構造
- ネスト構造により複雑なレイアウトをサポート
- データの継承システムにより、要素を動かしても適切にデータ連携
今後の展望:段階的な実装へ
現在公開されているTheme Blocksは、Flex Sectionsという大きなビジョンを実現するための第一歩だと考えられます。今後、Style Settingsが正式にリリースされ、これらの技術が統合されることで、より直感的なテーマカスタマイズが可能になることが期待されます。
これにより、マーチャントは:
- コードを書かずにレイアウトの編集が可能に
- AIによるレイアウト提案の活用
- Theme Blocks:どのセクションでも使える標準的な部品を実現
- 予測可能な動作の保証
- ブロックターゲティングにより、要素の配置ルールを制御
- 静的レンダリングで固定要素を実現
- AIやドラッグ&ドロップでの意図しない表示崩れを防止
- 柔軟なレイアウト構造
- ネスト構造により複雑なレイアウトをサポート
- データの継承システムにより、要素を動かしても適切にデータ連携
といった恩恵を受けることができるようになるでしょう。※ 本当に恩恵になるかどうかは正直筆者としては微妙かなと思っていて、この辺りもまた詳細に話せればと思います。
まとめ
今回は、Shopifyの新しいテーマ開発の方向性としてFlex Sectionsの概要と、その実現に向けた第一段階としてリリースされたTheme Blocksについて説明しました。
次回予告
次回は具体的なTheme Blocksの構築方法について共有します。
著者:TS
弊社では、Shopifyテーマの新機能対応から、既存テーマの移行、アップデートサポート、カスタムセクション、ブロックの開発まで、テーマ開発に関する幅広い支援を行っております。お気軽にご相談ください。皆様からのお問い合わせをお待ちしております。