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BigQueryとFirestore、どちらを選ぶべきか?ShopifyとCRM分析での使い分けと可視化のポイント

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25.06.03

1. はじめに

1.1 本記事の内容

Google Cloudを使ってデータを管理したいと思ったとき、BigQueryとFirestoreのどちらを使うべきかで迷った経験はありませんか?

この2つは見た目こそ似ていますが、目的によって得意なことがまったく異なります。

今回は、ECプラットフォームであるShopifyと連携した場合にどう使い分けるのが良いか、そして実際にBigQueryを使ってCRMっぽい分析をしてみた事例を交えながらご紹介していきます!

1.2 対象読者

・Shopifyを使っているECサイト運営者

・業務効率化やデータ活用に興味のあるPMやマーケ担当者

・GCPを業務に導入したいと考えている企業の方

1.3 記事を読み終えるまでの時間

約5分〜7分で読める内容です。

2. BigQueryとFirestoreの違いについて

2.1 基本的な使い方と特徴

BigQueryは、SQLで操作できるデータウェアハウスで、大量のデータを分析・集計するのに適しています。

一方、Firestoreは柔軟性のあるNoSQL型のデータベースで、モバイルアプリやリアルタイム連携が得意です。

2.2 それぞれの強みと注意点

BigQueryは「後から分析するためにデータを貯めておく場所」、Firestoreは「アプリから即時に読み書きしたいデータを置く場所」と考えると分かりやすいかもしれません。

下記に表でまとめてみました!

項目BigQueryFirestore
用途集計・分析リアルタイム保存・アプリ連携
操作SQLSDK or API(NoSQL)
強み大量データの処理、BI連携柔軟な構造、即時反映、オフライン対応
注意点書き込みにはやや不向き複雑な集計やJOINは苦手

いかがでしょう?イメージできましたでしょうか?

3. Shopify連携ではどう使い分ける?

3.1 BigQueryを使う場面

ShopifyからCSVやAPIで取得した注文・顧客・商品データをBigQueryに取り込めば、売上分析や顧客セグメントの集計がとてもスムーズに行えます。

月次レポートの自動化や、Looker Studioとの連携による可視化にも向いています。

BigQueryとFirestore、どちらを選ぶべきか?ShopifyとCRM分析での使い分けと可視化のポイント - 株式会社テックディレクション

3.2 Firestoreを使う場面

一方で、Webhookでリアルタイムにデータを保存したいケース(例:注文ステータスの即時反映など)ではFirestoreが便利です。Cloud Functionsと組み合わせることで、Slack通知や外部API連携などもノーコードに近い形で構築できます。

4. CRM分析でBigQueryを活用してみた

4.1 顧客データをどう整理するか

実際に、顧客情報、過去の取引履歴、営業活動ログなどをそれぞれのCSVファイルとして用意し、BigQueryにインポートして分析基盤を構築してみました。

テーブルは以下のような構成です:

・customers(顧客情報)

・deals(取引履歴)

・activities(活動履歴)

それぞれをJOINし、たとえば「アクティブ顧客の累計売上トップ10」などをSQLで集計できます。

BigQueryとFirestore、どちらを選ぶべきか?ShopifyとCRM分析での使い分けと可視化のポイント - 株式会社テックディレクション
SELECT
  c.customer_id,
  c.name,
  c.region,
  SUM(d.deal_amount) AS total_sales
FROM `プロジェクトID.crm_dataset.customers` c
JOIN `プロジェクトID.crm_dataset.deals` d
  ON c.customer_id = d.customer_id
WHERE c.is_active = TRUE
GROUP BY c.customer_id, c.name, c.region
ORDER BY total_sales DESC

4.2 Looker Studioでレポートにまとめる

BigQueryで集計した結果は、Looker Studioと連携すれば直感的に可視化できます。

今回は以下のようなグラフを作成してみました。

・顧客別売上ランキング(棒グラフ)

BigQueryとFirestore、どちらを選ぶべきか?ShopifyとCRM分析での使い分けと可視化のポイント - 株式会社テックディレクション

・月別売上推移(折れ線グラフ)

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・地域別売上(マップ形式)

BigQueryとFirestore、どちらを選ぶべきか?ShopifyとCRM分析での使い分けと可視化のポイント - 株式会社テックディレクション

複数のチャートを組み合わせてダッシュボード化すれば、誰が見ても分かりやすいレポートが完成します。

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5. まとめ

BigQueryとFirestoreは、どちらも非常に便利なサービスですが、役割は明確に分かれています。

・データを「後から分析する」ならBigQuery

・データを「すぐに反映したい」ならFirestore

Shopifyと連携する場合もこの考え方は変わりません。

実際の現場では「Firestoreで受け取って、BigQueryに流し込む」といったハイブリッド構成も多く見られます。

Looker Studioまでつなげることで、チームで共有できるダッシュボードを自動生成することも可能です。

現場の意思決定スピードを上げたい方にとって、非常に有効な選択肢になるはずです。

ぜひ、自社に合った形でGCPの活用を検討してみてください。

著者:Miyazawa

弊社では、ECサイトのリプレース案件から、Shopifyカスタムアプリ開発、保守案件に至るまで、EC中心にプロジェクトの質にこだわり、お客様に笑顔になってもらえるよう日々邁進しております。

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