BigQueryとFirestore、どちらを選ぶべきか?ShopifyとCRM分析での使い分けと可視化のポイント
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目次
1. はじめに
1.1 本記事の内容
Google Cloudを使ってデータを管理したいと思ったとき、BigQueryとFirestoreのどちらを使うべきかで迷った経験はありませんか?
この2つは見た目こそ似ていますが、目的によって得意なことがまったく異なります。
今回は、ECプラットフォームであるShopifyと連携した場合にどう使い分けるのが良いか、そして実際にBigQueryを使ってCRMっぽい分析をしてみた事例を交えながらご紹介していきます!
1.2 対象読者
・Shopifyを使っているECサイト運営者
・業務効率化やデータ活用に興味のあるPMやマーケ担当者
・GCPを業務に導入したいと考えている企業の方
1.3 記事を読み終えるまでの時間
約5分〜7分で読める内容です。
2. BigQueryとFirestoreの違いについて
2.1 基本的な使い方と特徴
BigQueryは、SQLで操作できるデータウェアハウスで、大量のデータを分析・集計するのに適しています。
一方、Firestoreは柔軟性のあるNoSQL型のデータベースで、モバイルアプリやリアルタイム連携が得意です。
2.2 それぞれの強みと注意点
BigQueryは「後から分析するためにデータを貯めておく場所」、Firestoreは「アプリから即時に読み書きしたいデータを置く場所」と考えると分かりやすいかもしれません。
下記に表でまとめてみました!
項目 | BigQuery | Firestore |
---|---|---|
用途 | 集計・分析 | リアルタイム保存・アプリ連携 |
操作 | SQL | SDK or API(NoSQL) |
強み | 大量データの処理、BI連携 | 柔軟な構造、即時反映、オフライン対応 |
注意点 | 書き込みにはやや不向き | 複雑な集計やJOINは苦手 |
いかがでしょう?イメージできましたでしょうか?
3. Shopify連携ではどう使い分ける?
3.1 BigQueryを使う場面
ShopifyからCSVやAPIで取得した注文・顧客・商品データをBigQueryに取り込めば、売上分析や顧客セグメントの集計がとてもスムーズに行えます。
月次レポートの自動化や、Looker Studioとの連携による可視化にも向いています。

3.2 Firestoreを使う場面
一方で、Webhookでリアルタイムにデータを保存したいケース(例:注文ステータスの即時反映など)ではFirestoreが便利です。Cloud Functionsと組み合わせることで、Slack通知や外部API連携などもノーコードに近い形で構築できます。
4. CRM分析でBigQueryを活用してみた
4.1 顧客データをどう整理するか
実際に、顧客情報、過去の取引履歴、営業活動ログなどをそれぞれのCSVファイルとして用意し、BigQueryにインポートして分析基盤を構築してみました。
テーブルは以下のような構成です:
・customers(顧客情報)
・deals(取引履歴)
・activities(活動履歴)
それぞれをJOINし、たとえば「アクティブ顧客の累計売上トップ10」などをSQLで集計できます。

SELECT
c.customer_id,
c.name,
c.region,
SUM(d.deal_amount) AS total_sales
FROM `プロジェクトID.crm_dataset.customers` c
JOIN `プロジェクトID.crm_dataset.deals` d
ON c.customer_id = d.customer_id
WHERE c.is_active = TRUE
GROUP BY c.customer_id, c.name, c.region
ORDER BY total_sales DESC
4.2 Looker Studioでレポートにまとめる
BigQueryで集計した結果は、Looker Studioと連携すれば直感的に可視化できます。
今回は以下のようなグラフを作成してみました。
・顧客別売上ランキング(棒グラフ)

・月別売上推移(折れ線グラフ)

・地域別売上(マップ形式)

複数のチャートを組み合わせてダッシュボード化すれば、誰が見ても分かりやすいレポートが完成します。

5. まとめ
BigQueryとFirestoreは、どちらも非常に便利なサービスですが、役割は明確に分かれています。
・データを「後から分析する」ならBigQuery
・データを「すぐに反映したい」ならFirestore
Shopifyと連携する場合もこの考え方は変わりません。
実際の現場では「Firestoreで受け取って、BigQueryに流し込む」といったハイブリッド構成も多く見られます。
Looker Studioまでつなげることで、チームで共有できるダッシュボードを自動生成することも可能です。
現場の意思決定スピードを上げたい方にとって、非常に有効な選択肢になるはずです。
ぜひ、自社に合った形でGCPの活用を検討してみてください。
著者:Miyazawa
弊社では、ECサイトのリプレース案件から、Shopifyカスタムアプリ開発、保守案件に至るまで、EC中心にプロジェクトの質にこだわり、お客様に笑顔になってもらえるよう日々邁進しております。
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