ECサイトで障害が発生した時、開発会社はどう動くべきか?
- ECサイト
- ECサイト運営
- Shopify
- Shopifyベンダー
目次
はじめに
ECサイトを運営していると、「ある日突然、サイトが表示されなくなった」「商品がカートに入らない」「決済処理が止まっている」など、予期せぬトラブルに直面することがあります。
(怖いやつです。。。
たった一つのバグが、売上の機会損失を生み、ユーザーの信頼を失うきっかけにもなりかねません。
そんなとき、運営担当者にとって心強いのが、迅速かつ的確に動いてくれる開発パートナーの存在です。
この記事では、開発会社の視点から、障害発生時の対応フローや信頼関係の保ち方、再発防止策までをわかりやすくまとめています。
障害時に冷静に対応するためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
1.1 記事について
この記事では、以下のようなトピックを取り上げます:
・障害が発生した直後に開発会社が取るべきアクション
・クライアントとの信頼関係を保つ報告・説明のあり方
・再発を防ぐための仕組みづくりとナレッジ共有の方法
1.2 記事の対象
本記事は、以下のような方々に向けて書かれています:
・ECサイトを運営しており、障害対応に不安を感じている方
・外注の開発パートナーとの連携に課題を感じている方
・障害が発生した際、どこまで開発会社が対応してくれるかを把握したい方
1.3 記事
この記事は約6〜8分で読み終えることができます。
お忙しい運営の合間に、ぜひお役立てください!
2.障害発生時、開発会社が即対応すべきこと
2.1 現象の把握と一次切り分け
障害発生の報告を受けたら、まずは「何が、どこで、どれくらいの範囲で起きているか」を把握します。
気持ちは焦ってしまうと思いますが、まず一旦落ち着いて冷静に進めましょう!
・再現確認(テスト環境/本番環境)
・ログ収集(エラーコード、サーバログ、JSコンソールなど)
・影響範囲の確認(全ユーザー/特定環境のみ/管理画面のみ など)
ここで的確に状況を整理できるかどうかが、対応のスピードと精度に直結します!
2.2 緊急対応の判断
障害の影響度に応じて、緊急対応が必要かどうかを判断します。
・サイト全体を一時的に停止し、メンテナンス表示に切り替える
・不具合のある機能を一時的に無効化(例:レビュー機能など)
・キャッシュの活用や表示内容の差し替えによる応急処置
一時的にユーザーに不便が出る対応も、被害の拡大を防ぐ意味で重要です。
2.3 クライアントへの初動報告
状況が完全に把握できていなくても、まずは早めの連絡が大切です。
現状と今後の対応方針を、簡潔に伝えることを心がけましょう!
もしかすると、クライアントから状況を進展させる気づきを得られる場合も!
例)
現在、商品詳細ページの読み込み遅延が発生しています。
ログ調査を開始しており、約15分以内に次の報告を行います。
応急対応も並行して検討中です。
3. 運営担当者が知っておきたい「信頼できる開発会社」の対応姿勢
3.1「状況を隠さない・曖昧にしない」
不確定な状況でも「わからないから何も言わない」ではなく、 「現時点では未確定ですが、〇〇の可能性が高いです」と伝えることで、クライアント側も判断がしやすくなります。
隠さないからこそ、クライアントから情報が得られる場合もあるので正確に伝えることを意識しましょう!
正確に伝えようとすることで、見落としているや思い込みで動いてしまっていないか確認にもなります。
3.2「技術用語だけにしない」
運営担当者の多くはエンジニアではありません。
「APIエラー」「SQLタイムアウト」などの専門用語だけでなく、ユーザー視点でどういう問題が起きているかを補足して伝えましょう。
運営側が顧客対応に使える説明を意識しましょう。
3.3「こまめな経過報告が安心につながる」
進捗が遅れていたとしても、「今何をしているか」を定期的に伝えることが信頼維持につながります。
目安として、1時間に1回のアップデートがあると、安心感が生まれます。
復旧後の報告と振り返り
4.1 復旧完了報告
復旧後は、以下の内容を明確に整理して伝えます。
・原因(技術的要因、設定ミス、サードパーティ連携の問題など)
・復旧時間帯とユーザー影響
・恒久対応の必要性(応急対応のみか/根本修正済みか)
4.2 原因分析レポートの提出
障害発生後は、報告資料の提出が求められるケースもあります。 以下のような形式で整理しておくと便利です。
項目 | 内容 |
---|---|
発生期間 | 4/16 8:11 ~ |
経緯 | マイページから商品一覧に画面遷移したところ表示がおかしいことが発覚 |
障害内容 | 商品一覧ページが表示されない |
原因 | DBのキャッシュ設定ミスにより、全件取得が失敗 |
影響範囲 | 一部スマホユーザー |
対応内容 | キャッシュをリセット、コードを修正、再デプロイ済み |
恒久対応 | 設定変更のレビュー手順を追加・自動テストを拡充 |
4.3 ポストモーテム(振り返りMTG)の実施
障害対応のあとには、関係者を交えての振り返りミーティングを推奨しています。
・同じミスを繰り返さないためのチェック体制の整備
・インシデント内容をナレッジベース化
・誰かを責めるのではなく、「次に活かすための議論」を行うのがポイント
5. 次に備えるために:事前準備とチェックリスト
・SLA(サービスレベル合意)の明文化 →「L1障害は15分以内に対応開始」「定期報告は30分ごと」など
・緊急連絡体制の確認 → 担当者が誰なのか、いつ連絡が取れるのかを明確に
・監視・アラート設定の共有 → モニタリングツールの内容を共有し、通知の感度を調整
・本番環境の操作権限の見直し → 意図しない更新が起こらないよう、操作権限を管理
6. まとめ
ECサイトの障害は、避けられない場面もあります。
でも、その後の対応次第で、ユーザーとの信頼は取り戻すことができます!
大事なのは、スピード感のある初動対応と、誠実な情報共有、そして再発防止への取り組みです!
開発会社が「障害時に頼れるパートナー」として機能することが、運営担当者の安心に直結します。
日頃の準備と、いざという時の動き方
——ぜひ、改めて見直してみてください。
エンドユーザーへの影響を第一に対応を進めましょう!
著者:Miyazawa
弊社では、ECサイトのリプレース案件から、Shopifyカスタムアプリ開発、保守案件に至るまで、EC中心にプロジェクトの質にこだわり、お客様に笑顔になってもらえるよう日々邁進しております。
皆様からのお問い合わせ・ご相談をお待ちしております。